2013年12月18日

エコキュートは本当に省エネ?

ここ数年、ヒートポンプ技術を利用したエコキュートという
貯湯式給湯器が普及しています。

わが家も石油給湯器の代替機として検討したことがありますが
初期コストが大きすぎて製品寿命では回収できないのでやめました。

その後は低価格化による再検討の余地について様子を見ていましたが
普及効果による低価格化はあまり感じられず、それよりも設備が抱える
問題点や製品としての矛盾がわかってきました。

ヒートポンプというシステムは1kwの電力で4kwくらいの熱を
つくることができるので効率がいいと説明されています。
確かに温水製造時の効率は間違いなくいいです。
しかし運転時間に制約があり深夜の運転が前提となります。
安価な深夜電力を使う場合のみ経済的に成り立つ設備です。

ヒートポンプ技術で大きな省エネができるとしながら
昼間の運転を避けるべき機器になってしまうのは何かおかしいと感じます。
ヒートポンプ技術を利用しているエアコンや冷蔵庫は20年以上前からの進化
そしてこの10年でも劇的に進化して素晴らしく省エネなのに。
エコキュートについては?です。

根源的な問題は湯を作る時間帯と使う時間帯が大きく離れていることです。
深夜電力で作られた湯が使われるのは12時間以上保温されて夜のバスタイムです。
その間に保温に使われる電力はデイタイムの高い単価の電力です。
寒冷地であれば氷点下の屋外で昼間は保温運転だけをしているのです。
寒いほど、また保温性能の低い機器ほど保温や追い炊きで電力を使います。
効率よく湯を作っても昼間の割高な電力で長時間保温する設計に矛盾を感じます。
電気炊飯器の終日保温が炊飯より電力を使うことを思い出します。

ですから北海道などの寒冷地では保温対策で室内設置をしている例があります。
ただし以下のような制約もあるのでほぼ新築時のみの可能性となります。
・ヒートポンプユニットは外置きとなるので貯湯タンクとの分離設計が必要
・搬入搬出のスペースが必要(メンテナンススペースも必要)
・総重量600キロ位になるので床補強と転倒対策(壁補強)が必要
・給排水経路・追い炊きの循環経路などの壁貫通部分の気密処理
・低周波音が居住者に影響を与えない間取り設計
ここまでして採用するメリットが消費者側にはあるのだろうか。

冷蔵庫やエアコンのようにヒートポンプを必要時にリアルタイムで
作動させる給湯設備ならば本当の省エネ給湯器なのに残念に思います。
現時点では技術的に困難なのだと思いますが、いずれは貯湯タンクなしの
エコキュートが開発されるかもしれません。

それに対して従来型の給湯器がとてもいいものに思えてきました。

石油やガス給湯器には湯の保温というエネルギー消費はありません。
貯湯タンクを使い切ってしまう湯切れという現象もありません。
湯切れ防止のプログラムで試行錯誤することもありません。
深夜電力プランに暮らしを合わせる必要もありません。
背の高いタンクはないので地震で転倒する心配もありません。
低周波騒音で近隣トラブルとなる早朝の自動運転もありません。
導入時の設備費に数十万円もかかりません。
設置用基礎を作るような工事費用もかかりません。
メンテナンスに高額な費用もかかりません。
設備の買い替え時にも数十万円もかかりません。

エコキュートのメリットを享受できるのは電力会社と製造設置関連企業です。

エコキュートという製品はオール電化を推進させるための
政策的かつ一時的な普及であり、深夜電力の縛りと保温の省エネが
劇的に進まない限り淘汰されるのではないかと思います。
posted by DIY建築士 at 14:12| Comment(4) | TrackBack(0) | DIYで給湯器交換 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今思うとまったくもって、東京電力の夜間電力対策品ですね。メーカーも売れればいいんでしょう。

タンクに熱湯を貯めるというシステム自体は悪くないと思います。いざというときに使えればですが。
ヒートポンプ自体効率がいいとはいえ、冬場は寒い夜間から早朝にかけて動きますので、保温ロス含めるとメリットは少ないかもですね。料金は安いが、消費電力は多いという、、、、
電気代が高くても使う前に沸かせば保温も要りませんし、
昼間沸かした方が気温が高いので消費電力も少ないでしょう。本当に電力会社の思うつぼ機械ですね。

すでに購入してしまいましたので、壊れるまではうまく付き合っていこうと考えています。(ガレージがあれば、タンクはガレージ内、お風呂や部屋の換気の排熱はエコキュートの室外機付近に導風とかすればすこしでも効率アップできそうですね。
Posted by yosukeap1 at 2013年12月19日 12:47
yosukeap1さん コメントありがとうございます。

普及が進んでいることで導入されたユーザーも多くなり
ブログなどで湯切れの対策や消費電力削減の対策など
いろいろな工夫を見るようになりました。

すでに利用されているのであれば、出来る限りの効率化と
寿命を伸ばす工夫をするのが実際的な対策ですね。

今後はそのようなユーザーの情報サイトが増えてくると思います。
Posted by DIY建築士 at 2013年12月19日 19:41
エコキュート導入時に受けた説明では、
保温機能は断熱のみで保温(追い焚き) のような電力消費はないと思います
タンク内のお湯は90°くらいに沸かされ給湯使用時には薄めて使うような感じです
外気温度にもよりますが夜沸かしたお湯が夕方に88°になっているといった感じです
Posted by 名無し at 2015年04月28日 08:14
名無しさん コメントありがとうございます。

2006年以前に設置された方のブログでは、
保温中の温度低下と電力消費を防ぐために、
DIYで断熱処理を工夫されていました。

DIYでエコキュートの省エネ!
http://blogs.yahoo.co.jp/sniperhtjp/1040866.html

最近の製品はタンクの断熱性が大きく改善されているのかもしれません。
Posted by DIY建築士 at 2015年04月28日 11:36
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック