2013年06月14日

制振ダンパー設置完了

P1170082.JPGDIY制振ダンパーを自宅に徐々に設置してきて
やっと計画した本数の取り付けが終了しました。

1日1本の作業で週に3本程度のペースでした。
なぜこんなペースなのかというと中腰の姿勢や
上向きで下穴あけやビスの打ち込みなどで
無理な姿勢をとるので短時間でも足腰や腕が疲れます。
P1180219a.JPG屋根裏では梁の上しか移動できないので余計に疲れます。

本来の理想的な設置位置は1階の柱と天井付近の梁です。
この場所であれば標準的な住宅での取り付け本数は
12本となります。
新築時なら全く支障なく工事ができます。

しかし建築後は構造部分が壁の内部に隠れてしまうので
一度壁をはがす必要があり、ちょっとDIYでは困難です。

P1170080.JPGこで今回は住宅全体でのダンパーの効き(減衰力)を
期待して1階床下(地下室の束と梁)と
屋根裏(小屋束と梁)に設置しました。
取り付け箇所は以下の配分で合計14本にしました。

1階床下(地下室の梁) 南北方向に4本 東西方向に4本
屋根裏(天井の梁)   南北方向に4本 東西方向に2本
床下の本数を多くしたのは減衰させる重量が大きいからです。

これでとりあえず大地震による共振の不安から解放されましたが
リフォームなどで機会があれば1階の天井周辺に位置変更するか
追加で取り付けたいと考えています。
(2013年10月に追加で8本設置済)
P1160846.JPG
なお、このタイプの制振ダンパーを設置した住宅は
大型トラックなどが自宅前を通過するときの振動や
台風などで建物の揺れを感じる現象が解消されたとの
報告を聞いたり目にすることがありました。
こういった地震時以外のメリットも体験できれば
報告したいと思います。(これは体感できず)
ラベル:制振ダンパー
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2013年06月10日

地震の共振を避ける設計

P1170298.JPG関東大震災後に建築構造の柔剛論争があったそうです。
「五重塔の科学」という書籍で知りました。

関東大震災後に当時の耐震規定が定められました。
その時の耐震規定の要点は地震力を想定して建物が
地震力を受けても倒壊したりしないように
変形しにくい構造にすることでした。
現在もその考え方でどんどん耐震性のレベルを上げてきました。

そして現時点でその最高耐震レベルとなる長期優良住宅の
実物大モデルは地震力実験で倒壊してしまいました。
並べて同時に地震力を加えた耐震性の劣る住宅は倒壊を免れました。

関東大震災後の耐震規定の議論では、構造を固める剛構造を
唯一の方法と考え当時の建築学会の中で異議を唱える人はいなかったそうです。
しかし、真島健三郎という建築学会の会員ではない海軍省建設局の技官が
地震時の振動による共振に着目して
「地震に対して建物を剛にして固くするのは危ない。
むしろ多少変形しやすい柔構造こそ有効だ。」と主張していたそうです。

地震によって壊れない建物を作るには地震による揺れで建物が共振を起こさないように
地震の周期から外れるように設計すべきであるとの考え方でした。
地震の揺れの周期はそれまでの観測で0.3秒から1秒程度ということがわかっていました。
よって建物の固有周期を1秒以上に長くなるように柔構造にすべきと主張したのです。
しかし結果的にはその主張は建築基準法には取り入れられませんでした。

阪神淡路大震災では建物の多くがこの共振現象によって倒壊しました。

P1170173.JPGそれに対して、国内にある高さ20メートルを超える
80塔以上の五重塔は地震で倒壊した記録がありません。
地震国の日本で長い年月を超えて健在な五重塔は
現在の建築基準法では不適格とされる柔構造です。
金具による固定どころか通し柱も筋違も
1本も入っていない構造だそうです。
そして五重塔がなぜ何回もの大地震を受けながら無事なのかは科学的実験や
討論がなされているものの未だに明確で決定的な理由はわかっていません。

この本では五重塔が柔構造でありながら倒壊も損傷も免れているのは
その構造自体が揺れを減衰させるダンパーとして機能しているのではないか
という考え方が取り上げられていました。

複雑に組み合わせた木組構造には金物などで固定された部分がありません。
ですから揺れに対して木組みの部分が動くので大きな摩擦力により抵抗しながら
ダンパーとして働くことで、結果的に共振を免れているのではと思います。
揺れのエネルギーを熱(摩擦熱)に変換していることになります。

また、東京スカイツリーの建設技術についても説明されており
塔構造が芯部分と外周部分に分離されて、数多くのオイルダンパーで接続されています。

ダンパーを付加すれば建物の固有周期に関係なく
地震時に起こる共振を抑えることが可能になります。
住宅でも制振ダンパーが有効な地震対策になるのは間違いありません。
この書籍に書かれている内容で制振ダンパーの設置の有効性をより強く感じました。
既存の住宅にも設置が可能なので広く普及すれば地震の被害を大きく減らせます。
posted by DIY建築士 at 11:39| Comment(0) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月27日

制振ダンパーのステー設計

製作方法は?
P1160906.JPG一般的にはこのような部品はある程度の
販売数量を見込んでプレス金型を製作して
打ち抜き加工による量産を行います。

今回の制振ダンパーは量産しないので
初期投資のかからない製造方法で製作しています。

素材となる金属板をレーザー切断機で1個ずつ製品形状に切り抜きます。
ボルト穴もビス穴もレーザー光線で切り抜いています。
そして立ち上がる部分を折り曲げプレス機で完成させます。
建築用の部品としては非常識なほど高価な加工方法です。

必要な板厚は?
この金具と同様の部位に取り付ける既存の金物としては
筋交いと柱を固定する筋交いプレートという金物があります。
従来の筋かいプレートは2.3mmの厚みがあるものの
最近の筋交いプレートには板厚0.6mmというものもあります。

ここで異なるのは、筋交い金物などは地震時に建物の変形力を
ダイレクトに受けるのに対して、制振ダンパーのプレートが受け止める力は
ダンパーが吸収したあとの減衰された力なので大きな衝撃力は受けません。

このことより制振ダンパー用のステー金具は2mmの板厚で
強度的には十分以上であるとの設計試作を行ってきました。

しかし・・・。
P1160912.JPGパーツとしてのプレミアム感を追求し、
さらに厚い2.5mm厚のモデルを試作したところ、
予想以上に見た目の安心感・満足感のある
部品となりました。
その断面に厚みのもつ存在感と加工精度の高さを
はっきりと感じられます。
これは自動車のカスタムパーツのようにな出来栄えです。

これは強度的には全く意味のない過剰な厚さですし、
2mm厚で作るより1セット1000円程度高くなるのですが、
2.5mm厚をスタンダードにすることにしました。

居室内などの見える場所へ設置したくなります。
梁や柱が見えている住宅であれば設置できるので
目に見える安心感とともに暮らせるのではと思います。
P1160905.JPG
素材はどう決定したのか?
高価なステンレス素材(SUS304)です。
強度や使用環境としてはスチール(鉄)で充分ですが
ステンレスを採用した理由はトータルコストでした。

このステーは住宅内に設置されるので鉄でも激しく錆びることはありません。
ただし鉄だと外気と接する床下などへの設置ではある程度の錆びが発生します。
設置後に目にすることはほとんどなく、錆びによる性能劣化もないとはいえ、
見た目がよくないので鉄であれば錆び防止の処理が必要です。

一般的にはメッキ処理で錆び防止としますが、数量が少ない製品でのメッキ処理は
非常に高額になってしまうので表面処理の不要なステンレスにしました。
SUS304という規格のステンレスで通常の用途としては食品設備、化学設備、
原子力設備、家庭用品に使用される素材で非常に錆びに強く磁石は付きません。

本来の用途からすれば完全に過剰品質ですが結果的にローコストなうえ
ステンレスの光沢が製品デザインとして大きなメリットになりました。

なお、金具とダンパー本体を接続するボルトとナットもデザイン面から
ステンレス素材の製品を採用しました。
さらに木部に固定するスクリュービスもステンレスにしました。
オールステンレスなので風雨にさらされる屋外での使用でも安心です。
ダンパー本体も自動車部品なので屋外での対候性に不足はありません。

最終的にステーの設計を進めていくうちに
自動車用の量産部品であるダンパー本体よりもステー金具のほうが
実は高額になりました。
それでも予想していなかったプレミアム感があるのでOKとしました。

これだけ贅沢な部品設計でもダンパー本体に自動車部品を流用するので
標準的な住宅でダンパー12本の設置ならば予算25万円程度で制振住宅にできます。

ブログをご覧になって取り付けをご希望の方には
近いうちに取り付けキットとして提供できるようにしたいと考えています。
posted by DIY建築士 at 09:46| Comment(6) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月17日

耐震構造とは(不都合な真実)

耐震構造は家の強度を上げる事により地震による倒壊を回避しますが、
被災するごとにダメージが蓄積して強度が落ちていきます。

耐震性能が建築基準法を満たしていても連続する被災には安心できないのです。
現在の耐震基準では震度六弱の大地震で倒壊しないことが条件とされており、
建物が損傷をどれだけ受けても倒壊さえしなければ人命を守れるという概念です。

倒壊を免れたという規模の被災を受けた場合には、窓やドアなどの建具が
開かなくなるほどの損傷を受けてしまいます。
こうなった場合は建物の構造部分の接合部分が折れたり抜けたり、
また接合金物が折れたり引きちぎられているのです。

構造部分がこうなってしまうと、その後はそのまま安心して暮らせません。
建物への損傷が一定限度を超えるとその後の生活に支障が出るだけでなく
大規模改修工事や建て替えが必要となり大きな財産を失うことになります。
地震保険に加入していても支払われるのは損害の一部だけです。

では耐震性能を現在の建築基準法レベルよりさらに上げていけば
いいのかというとそうでもありません。

耐震性を向上させるためには変形に抵抗する部材を増やします。
具体的には筋交いや構造合板といわれる厚い合板を壁に追加します。
構造的にガチガチに硬くするわけです。

建物の変形を抑え込むので建物自体の変形は小さくなるものの
地震のエネルギーをダイレクトに受けることになるのです。
建物が地震力をガッチリ受け止めるので、より強い加速度で揺れることになります。
この揺さぶりが共振を起こすと木造の場合は接合部分が破壊されてしまうのです。
建物内部では冷蔵庫がドーンと倒れるようなことが起きると予想されます。

つまり耐震性を大きくするとを建物全体が受け止める力も大きくなるので
構造部分の接合部と建物内部へのダメージが大きくなるのです。
耐震性を上げるために必要以上にガチガチにするのはリスクが大きいことなのです。

これは2009年の実物大住宅の模擬地震実験でも確認されました。
耐震性を追加した住宅の性能を実証する実験で逆の結果が出てしまいました。

長期優良倒壊.JPG耐震性が通常の住宅と耐震補強された住宅に
同時に地震力を加える実験で、耐震補強された
長期優良住宅のほうだけ倒壊してしまったのです。

この実験は防災科学技術研究所と建築推進協議会が
共同で実物大の住宅で行った実験です。
「耐震実験 予想外」で検索すると動画もすぐに見つかります。

この結果は国と建築業界にとって「不都合な真実」となってしまいました。

これに対し、主催者の一者である国土交通省の結論は、
倒壊していない住宅も実質的には倒壊したということにして
「今回の試験体は2棟とも倒壊したと判断する」
「現行の構造設計法の想定通りである」と記者会見では発言しました。

両方とも倒壊とみなして想定通り?
長期優良住宅に追加された耐震性は意味がないのが想定通り?
長期優良住宅の耐震性をアピールするための実験だったのでは?

法律を作ってしまった以上、長期優良を認定した住宅のほうだけが
倒壊してしまったという事実は受け入れることができないようです。

この結果をそのまま受け入れると長期優良住宅の普及の促進に関する法律は
再検討せざるを得なくなるし、現行の建築基準法も見直す姿勢を見せないと
不作為犯罪を追及されることになるのかもしれません。

倒壊した住宅は長期優良住宅の普及の促進に関する法律(2009年6月施行)に
認定される耐震性を備えた建物で、この建物の耐震性能については、
極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、
損傷のレベルの低減を図ることが認定条件となっています。
それが実験では倒壊です。

このようなこともあり、現行の耐震性だけでは倒壊を免れても
倒壊同然の損傷を受けることが実験でも再現され、
さらに耐震性だけの強化は地震に対する備えにはなり得ないと感じていました。

「揺れをある程度は許容しながら大きく減衰させて住宅を守る」
この設計を取り入れて制振構造にすることが既存の住宅にできる
唯一の方法であると確信しました。

これが制振ダンパーを設置しようと考えた動機です。

日本という地震多発国に自宅を建てて暮らしている以上は
倒壊を免れられるだけで安心している場合ではないと思ったのです。
倒壊を免れても自宅の再建築の負担は想定外なはずです。
地震保険は全壊しないと全額出ない上、全壊しても再建できるほどは出ません。

大地震による損傷で暮らせなくなってしまうことは大きなダメージであり、
ちょっとした追加工事で効果的な対策が取れるのであれば
建築基準法で義務付けてでも普及させるべきだと考えます。
これが本来国が行うべき国民の生命と財産を守るということではないかと考えます。
posted by DIY建築士 at 08:51| Comment(3) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月14日

建物構造の地震に対する備え

P1160892.JPG地震に対する構造的な対策は3つの方法があります。

耐震構造 
これは建築基準法をクリアして、その後の経年劣化を
発生させないように防湿対策などを継続していれば
備えていることになります。
地震の揺れはそのまま建物に伝わります。
共振現象が起きると地震の揺れ以上に揺さぶられ
これが起きると構造材の接合部が破壊されます。
現在の耐震基準では震度六弱の大地震で倒壊しないことが条件とされています。
耐震性が不足している場合はリフォーム的な工事により
耐震性を向上させることが可能です。

制振構造
これは建築基準法には義務付けのない制振設備を構造体に
設置するコストがかかるため従来の住宅には設置されていません。
地震の揺れを減衰させる装置でエネルギーを
熱や素材の変形に変換して揺れを小さくします。
共振現象の発生はほぼ抑えられます。
リフォーム的な工事により制振構造をプラスする装置の施工は可能です。
ただし取り付ける場所によってはDIYでも簡易に施工できます。

免震構造
建物と基礎の間にベアリングや積層ゴムなどを挟んで建設するなど
地震時の地盤の動きを建物に直接伝えない構造です。
建築後に施工するのは不可能で、新築時でも高額な費用を要します。

このなかで建築後に検討や追加ができるのは
耐震性のさらなる向上と制振装置の取り付けです。
posted by DIY建築士 at 14:01| Comment(0) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月08日

DIY制振ダンパー設置

P1160854.JPGこの数年の地震対策で最も大きな研究課題であった
制振ダンパーをついに設置しました。
まだ部分的な設置ですが計画では12個取り付けます。

見た目にもわかりやすい質実剛健な設備。
地震に対して今までにない安心感で暮らせます。

これは地震時の大きな揺れを吸収するだけでなく
揺さぶりを連続して受けている時に起きる
地震の揺れの周期と建物の固有周期の一致による
共振現象を防ぐために大きな効果があると確信して
できるだけ早く設置したいと考えていました。
P1160860.JPG
阪神淡路大震災で建物の多くがこの共振現象によって
倒壊したことで広く知られるようになりました。
しかしこの共振現象を防止するための対策は
その後の建築基準法には盛り込まれていません。
現行の建築基準法による耐震強度という概念だけでは
なんとか倒壊を防げても大きな損傷を受けてしまいます。

この装置の原理は建築業界の展示会で知ったものですが
そのメーカーの製品では一棟分で50万円以上の費用が掛かることと
指定の取り付け位置に施工するには新築時または1階の壁を
剥がす工事が必要なのですぐに採用することに躊躇していました。

その後、制振装置全般について調べているうちに
さまざまな制振装置が開発されており、それらの原理や特徴を
比較検討しているなかで、これは自動車部品を流用すれば
個人設計事務所の資本力でも作れるのではないかと考えました。
自動車部品なら精度や耐久性そして耐環境性能は十分で、
屋外に設置しても問題ありません。

大手メーカーの指定するの取り付け位置は
最小限の設置個数で効果を発揮する位置であって
建物全体としてバランスを考慮すれば屋根裏と床下でも
ある程度の制振効果を発揮できるのではないか。

このような考えから流用可能な部品の調査を続け、
利用するダンパー本体は自動車のサスペンションとして
量産されている既存部品から適合品を見つけました。

P1160862.JPGもう一つの重要部品であるダンパーと建物の構造を
接続するステー金具の製作は金属加工の町工場に
依頼して試作を重ねてきました。
この町工場は以前レース用車両の特注パーツを
製作してもらっていたころからの長い付き合いです。

それがやっと設置できる仕上がりとなりました。
まだ地下室(1階の床下)にしか設置していませんが
これから屋根裏にも設置する予定です。

実際に大地震を経験しなければ結果はわかりませんが
大地震による住宅の損傷を防げる可能性が高くなるのは間違いありません。

ダンパーが建物の揺れを半減させるという効果を期待できるので
建物自体だけでなく家具など室内にも大きな効果が及びます。

現時点ではプロトタイプとして
ダンパー以外の部品にすべてステンレスを採用しました。
メカニック系出身の習性なのか材質は自己満足で製作しました。

これは見栄えはいいけどコスト高となる過剰品質です。
接続ボルト1本で数百円します。
緩み止めナットのほうはボルトより高価なので驚きました。
設置場所は錆びの対策が不要な住宅内なのでもっとローコストにできます。

当面は親類や顧客の住宅への設置を勧めていきますが
需要があればDIY取り付けキットとして販売も考えています。

インパクトドライバーがあれば取り付けは簡単で、
大手メーカーの制振ダンパーの1/3程度のコストで設置できます。
新築を予定される場合であればベストな位置に設置できます。

興味を持たれた方は「住宅用制振装置」で検索してみてください。
さまざまな製品を見ることができます。(動画解説もあります。)
posted by DIY建築士 at 18:09| Comment(3) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月24日

給湯器設置に建築基準法

P1140208.JPGエコキュートなどの貯湯タンク式の給湯器は
地震で転倒する被害が多発したことから建築基準法で
転倒防止策が義務付けられることになりました。
これにより固定に使用するアンカーボルトの
サイズや本数が規定されます。

ただし施行は2013年の2月頃に予定されているので
それまでは従来の施工マニュアルによって固定される可能性があるため
設置を予定している場合は建築基準法案を取り入れる指示をすべきです。

すでに設置した住宅の場合はアンカーボルトの変更が困難なので
タンクの上部を建物に固定することで転倒防止を行うことができます。
タンク上部の固定方法についても建築基準法で規定されます。

一般的なエコキュート(460Lの薄型タイプ)の場合で
満水時の重さは550kgを超えます。
地震で倒れるとその危険性や被害は相当大きなものになります。
posted by DIY建築士 at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月16日

冷蔵庫の地震対策

P1140366.JPG地震で冷蔵庫が倒れると、直接的な危険だけでなく
周囲のドアや避難経路を塞いでしまうということが
ここ数年の地震の報道や記事で広報されています。

冷蔵庫が転倒すると、こぼれ出るものも多いので
後片付けもかなり大変になると思います。

冷蔵庫の設置場所は住宅の設計時から移動することはほとんどありませんから
背面の壁にフックを取り付けられるようにしておけば簡単に地震対策が行えます。

防火上の内装制限で壁下地が石膏ボード(固定不可)に
なる場合がありますが、冷蔵庫の設置を予定する場所部分だけでも
構造用合板を使うことで固定用のフックを取り付けることができます。

わが家では冷蔵庫の買い替えを機会に転倒防止用のフックを取り付けました。
ホームセンターで売られている金具を壁にビスで固定して
冷蔵庫裏面の搬入用取っ手部分とロープで繋げば終了です。

P1140186.JPG金具は見栄えを考慮して
ステンレス製で耐荷重50kgのアイプレートを
左右2か所に取り付けました。
ねじもステンレスにしました。

これと冷蔵庫の取っ手をロープで繋ぎました。
P1140194.JPGロープは6mm(耐荷重360kg)の製品で
結び方は本結びです。
これで震度7でも転倒しないと思います。

壁下地が石膏ボードの場合は
その下の木材の場所を見つけて
そこにフックを固定すればOKです。
壁に画びょうを刺して、鋲に白い粉が付くなら石膏ボードです。
ラベル:耐震
posted by DIY建築士 at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

システムキッチンの耐震ロック

大震災の日は出張で東京に行っており実家に立ち寄る予定でした。
関東が大揺れしたときは、すでに実家まで徒歩圏内だったので、
交通機関の混乱に巻き込まれることもなく帰ることができました。

実家での被害状況を確認すると、テレビや家具が倒れることもなく
特に被害と言った被害はありませんでした。
しかし、システムキッチンの扉が全て開かなくなったとのことでした。
それは耐震ロックのついた扉で、大きな揺れで作動するとロック状態となり
1cm程度開いた状態でロックされ、開けないので困っていました。

扉が開かなくて困っているわけですが、地震でキッチンの扉が開いてしまい
食器類が全部落ちてしまい、割れたり散乱して大変なことになった方も
多かったようなので、耐震ロックは大きな役目を果たしたのではと思います。
解除後に、そーっと開けましたが落ちてきたのは調味料のビンが1個だけで済みました。

ロックで固定されてしまうタイプの耐震ロック機構の解除は、
扉のロック部分(扉上部)を強く押し込むと解除されるタイプが多いと思います。
かなりの力で叩くように押し込まないと解除できないタイプもあります。

P1250882.JPGわが家のサンウェーブ製のキッチン扉の耐震ロックは
ボールが静止しているときだけロックが解除されている
タイプで地震で揺れているときだけロックされています。
ですから、勢いよく開けようとするとロックされます。

耐震ロック作動時に固定されるタイプの耐震ロックは、
解除する経験のない方が多いと思うので覚えておく必要があると思います。
posted by DIY建築士 at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月30日

住宅の強度と耐震性(直下率)

木造住宅の耐震性を判断する場合に
二階の柱の直下率を調べると大まかな安全性を判断できます。
直下率とは、上下階の柱が一致している割合をいいます。

これは間取りでほぼ決定してしまいますが、
2階建ての在来工法にはルールが存在しないので
直下率を全く考慮しない設計でも建築基準法をクリアしてしまいます。

2階の床が傾いたり、たわんだり、雨漏りや、水漏れ、サッシ窓や建具の
開閉困難などの不具合、そして地震で大きな事故につながった住宅は、
直下率50%以下から急増しているというデータがあります。

専門機関が調査した約600件で半数以上が直下率50%以下であったという
調査報告が最近の建築専門誌に記載されていました。
構造的にバランスの悪い住宅が半数以上ということになります。
これから設計を行う方は十分に直下率を検討してください。
長期的には小さな変形であっても住宅の断熱気密性能や寿命に影響します。

確認したい場合は、2階の間取り図から壁と柱を
トレーシングペーパーに写し取り、1階の間取り図に
重ね合わせれば、2階の柱の直下率がわかります。

もし、自宅の直下率が低かった場合は2階以上の重量を減量することで
変形の抑制や耐震性を向上させ事故の被害を軽減できる可能性があります。

そのような場合は、できるだけ2階以上に重量物を置かないようにしましょう。
例えば、大量の書籍やCD、ビデオ、レコードなどのコレクションは重量物です。
住宅が大きな地震で潰れるのはほとんどが1階部分だけです。
3階建ての場合はその影響はより大きなものになります。

太りすぎの人が減量することで足腰やひざへの負担を軽減できるのと同じことです。
このように工事をしないで住宅の強度を向上させたり耐震性を上げる方法もあります。
posted by DIY建築士 at 17:49| Comment(0) | TrackBack(0) | DIYで災害に対する備え | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする