2014年05月08日

ステンレス給水管の落とし穴

わが家の給水システムは量水器から建物内の
分岐ヘッダーへの接続までにステンレス給水管を採用しました。
給水管には蛇腹部分があり地震などの地盤の動きにも追従します。
100年程度メンテナンス不要といわれる設計でした。

配管方法は氷点下での給水管凍結を防止するために
気温の影響を受けない地中1m程度に埋設しています。
全ての配管部分が埋設状態で住宅の基礎から立ち上がります。
これにより凍結防止のヒーターも水抜きという作業も不要です。

P1150992.JPGところがこのステンレス給水配管が築13年で
漏水を起こし、その原因はジョイント(継手)でした。

ステンレス継手の一部が腐食して
形状を保っておらず崩壊していました。
ステンレスなのに全くの想定外。

P1150953.JPGこれに対して、この部品の製造メーカーの調査結果は
「腐食した製品に異常はないので原因は土壌かも」
との報告書・・・。
それなら他の継手も腐食する可能性が?
それにしては給水管本体に全く腐食の兆候なし・・・。

漏水の心配をしながら暮らすのは嫌です。
放置できないので、埋設されたすべての当該部品を
製法の異なるステンレス継手に交換しました。

腐食した継手製品はステンレスの鋳造品です。
鋳造製品であったことが腐食の原因ではないか考えています。
溶融状態において組成的なムラが発生した可能性と
鋳造品の機械的性質(固くてもろい)が要因となる可能性です。
また組成的性質に問題があれば電蝕の可能性も発生します。

P1190189.JPG交換品として採用したのは鋳造ではなく
プレス加工で製造された継手製品です。
素材としての安定性に優れ、
パーツとしての部品構造もシンプル、
施工方法も圧着なのでシンプル。
ベンカン社のモルコジョイントです。

ステンレス給水管の継手にはこれを強くお勧めします。

漏水の発見からすべての継手の交換まで9か月を要しました。
漏水事故を起こした継手メーカーの対応が予想外だからです。

今回の漏水事故に関しては、調査結果を含めて不可解な点が
いくつかあるので別のブログにしました。
ステンレス給水管の落とし穴

なお、私が設計に関与してステンレス給水システムを採用した建物に関して
新築・リフォームともに配管に使用している継手部品メーカーを確認中です。

今回の腐食漏水事故を起こした製品を使用していた場合は
責任を持って不安解消までの対応を行います。
すべての当該継手部品の交換または代替給水管の新規埋設です。
ラベル:水道管
posted by DIY建築士 at 20:56| Comment(2) | TrackBack(0) | ステンレス給水管の落とし穴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月29日

給水管(水抜き栓)に穴が・・・

住宅内に突然「コーッ」という連続音が?
水道を使っていないのに使っているときの音?

地下で給水管から水が噴き出したのかと思い
地下室の給水管の分岐ヘッダーを見に行っても何の異常もなし。
でも給水管に近づくと、より大きな「コーッ」という音が聞こえます。

外に出て、住宅外部の水抜き栓のところに行くと
水抜き栓が埋まっている部分から水が溢れ出ているではありませんか。
とりあえず、これを止めるには水道の元栓を閉めるしかありません。
さっそく閉めたら止まりました。

これでしばらく暮らさなければなりませんが、
元栓を開ければ漏れはあるものの住宅内の蛇口から水は出ます。
まずは元栓を再度開けて水道を復旧させ、
アウトドア用の水タンクに水をためてキッチンの流しに設置します。
トイレの水は流すたびに数分間元栓を開ければ
トイレタンクに補充され生活は成り立ちます。

そして原因ですが水抜き栓の操作部分から溢れ出ていることから
水抜き栓と給水管の接続部分が怪しいのは間違いありません。

工務店に連絡すると午前中だったのですぐに来てもらえ、
早速スコップで掘り進みます。
給水管は凍結防止のために地盤面から約1mの深さで住宅の基礎に配管しているため
水抜き栓の接続部も地盤面を1mほど掘らなければ見ることも外すこともできません。

P1180377.JPG掘り終えて、水抜き栓外してみたら
すぐに水漏れ部分が確認できました。
水抜き栓の接続部分である最下部(真鍮部品)に
穴が開いていました。


P1180376.JPGこれは電食(電気的な腐食)です。
10年以上かけて真鍮部材に穴が開きました。
電食の原因は給水管がステンレス製で
水抜き栓の接続部が真鍮製だったからです。

2種類の金属が接触し周囲が水で
導通される環境にあれば微弱な電流が発生して
弱いほうの金属がイオン化して溶出する現象が電食です。
金属メッキと同じ原理です。
これは知識としては理解していましたが、
給水管設備での発生は想定していませんでした。
P1190810.JPG
防止対策は簡単で異なる金属同士の中間に
絶縁体を挟めばいいのです。

水抜き栓(真鍮部分)とステンレス給水管との間に
樹脂製のジョイント(給水管)を挟んで電食防止対策としました。

本来は埋設の専門である給水管工事事業者が、
電食を防止するため実施する施工方法ではないかと思いましたが
水道事業者にそのような知識はなかったのでしょうか?
(ほんとに知識がないのか?それはそれで不思議だけど)
(知識があっての工事なら将来の補修工事の受注確保工作です。)

凍結防止の水抜き栓を施工する寒冷地でステンレス給水管を計画している方は
電食防止の措置が施主の指示として必要なようです。

その場合も給水事業者に明確な指示と結果の確認(立ち合いか写真)は必須です。
現場では施主の指示や設計のとおりに施工しているとは限りません。

ステンレスの給水管は塩ビ樹脂製の給水管にない特徴として
蛇腹部分が部分的または全体的にあります。
蛇腹部分を曲げて配管することで最小限の接続部で配管可能となるだけでなく
塩ビパイプなら折れるような地震による地盤の動きにも追従し水漏れ事故を防ぎます。
posted by DIY建築士 at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ステンレス給水管の落とし穴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする